「嵐山・嵯峨野界隈」
嵐山は平安の昔、貴族の別荘地として栄えた土地です。『源氏物語』でも光源氏がここを訪れました。『小倉百人一首』が生まれた場所でもあり、『平家物語』の悲恋話も語り継がれ…。鳥居本も、愛宕神社の門前町として古くから栄えた場所。数々の名作を生んだ豊かな自然に、わくわくしながら歩きました。
渡月橋
天龍寺
野宮神社
二尊院
祇王寺
鳥居本の街並み
化野念仏寺
言わずと知れた嵐山のシンボル
渡月橋
。その昔「くまなき月の渡るに似る」と亀山天皇が賞したことから名づけられました。「駅の足湯」も人気の嵐電・嵐山駅から徒歩3分ほど。観光客のほとんどは、橋のたもとで記念撮影をしていますが、ここはひとつ、北東側の土手から撮るのがおすすめです。橋の全長は約155m。嵐山を背に架かる、きれいな姿をまるごと見られてお得ですよ!
おみやげもの屋が充実の嵐電・嵐山駅。天龍寺はお向かいさんです
春は桜、秋は紅葉が山を彩り、それを背景に見るのもオツな感じ
室町時代、足利尊氏が創建した
天龍寺
の見どころといえば、国の史跡・特別名勝第1号に選ばれた曹源池庭園の他にありません。嵐山を借景にした雄大な眺めは、方丈の縁側に座ってゆっくり楽しむのがおすすめです。方丈の中は夏でも涼しい。伝統的な日本の建築物は、よく考えられていると思います。法堂の天井に描かれた雲龍図は、特別拝観の時期か土・日曜、祝日に公開ですので要注意!
夏には放生池のハスが見ごろに。8月下旬のこの日は終わりかけでした
曹源池庭園の作庭は、天龍寺の開山・夢窓疎石によるものと言われます
天龍寺の北側へ出て数分もしないうちに、竹林の道に入りました。暑かったはずの空気が一変、まるで別世界の色と風に癒されます。汗もすっかり引いたところで、
野宮神社
の目印・黒木鳥居が左手に。クヌギの皮を剥かずに使う日本最古の鳥居建築様式だそうです。野宮神社といえば、やっぱり縁結びですよね! 境内にある、祈願してなでると1年以内に願いが叶うという神石(亀石)も見逃せません!
『源氏物語』など古典にも登場。昔から親しまれてきた道です
松尾芭蕉や与謝蕪村も俳句に詠んだ美しい苔の庭は右手奥に
二尊院
竹林を抜けて、嵯峨野巡りコースを引き続き歩きます。「紅葉の馬場」があり、秋には多くの観光客で賑わう二尊院へ。本尊に釈迦如来と阿弥陀如来の二尊を祀っているので、こう呼ばれるそうです。実はここ、藤原定家が『小倉百人一首』を選定した時雨亭跡がある場所。実際に跡地に立ってみました。本当に小さな草庵だったのだなと実感できます。小倉山からの眺めも最高ですよ!
緑も美しい「紅葉の馬場」は総門をくぐった先に延びる参道のこと
ここが時雨亭跡。選者の藤原定家は鎌倉初期に活躍した歌人です
『平家物語』に登場する悲恋の白拍子・祇王ゆかりの
祇王寺
へは、二尊院から北へ10分弱。そろそろ日陰で涼みたいと思いはじめた頃、到着しました。平清盛の寵愛を仏御前に奪われた祇王は、若くして母親と妹とともにここへ隠棲します。美しい苔の庭園や、CMでもおなじみの草庵にある「虹の窓」も、どことなく寂しさを感じました。境内には、祇王らの墓と並んで清盛公の供養塔も。
木漏れ日が苔の緑に降り注ぐ、美しい庭園にうっとりです
「うるさい人、だまる」のCMで有名な、草庵の「虹の窓」も必見!
鳥居本の街並み
祇王寺を出て、さらに10分ほど歩きました。愛宕神社の一の鳥居があるので、鳥居本と名づけられた場所に到着。ここは、嵯峨鳥居本伝統的建造物群保存地区に指定されています。萱葺き屋根の眺めは本当に風情がありました。昔は貴族が鷹狩りや紅葉狩りを楽しんだ場所は、今は和雑貨屋や甘味処が並んでいます。明治の民家を改修して当時の暮らしを再現した、街並み保存館もおすすめ。
白壁と萱葺き屋根が続く道を歩けば、どこか懐かしい感じがします
夏のこの時期、手作りの行灯が夜道を灯す行事が行われるそう
ちょうど千灯供養の日の昼間に訪れた
化野念仏寺
は、鳥居本の街並みの中にあります。古くから東の鳥辺野、北の蓮台野とともに三無常に数えられた埋葬地。この時期、境内の「賽の河原」に並ぶ8千体の無縁仏を供養する千灯供養があり、盆の風物詩となっています。兼好法師の『徒然草』や、西行法師の歌にも登場する場所。一度、供養の灯がぼんやりと浮かぶ夜に訪れたいです。
「賽の河原」と呼ばれる供養塔群。異界に迷い込んだような感覚に
さすがに歩き疲れて、鳥居本で宇治抹茶のかき氷を食べました!
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